<岸部四郎さん追悼>ガキの使い 岸部四郎落とし穴企画について語る。

岸部四郎さんが亡くなったそうです。

タレントで俳優・岸部四郎さんが8月28日午前4時33分、拡張型心筋症による急性心不全のため、千葉県内の病院で死去していたことが分かった。71歳だった。近くに住む姉が駆けつけ、その後、俳優で兄の一徳(73)も駆け付けたというが、帰らぬ人となった。

数年前にネットの記事かなんかで写真を見た時激ヤセしていてビックリした覚えがあったので、体が心配だったんですけど、やはり良くなかったんでしょうね。近年はメディアでもほぼ全く見ることもありませんでした。

しかし岸部四郎さんというと、ガキファンとしては岸部四郎さんの落とし穴企画を思い出さずにはいられないです。顔デカおばちゃんの時と同様に、追悼の意味も込めてガキの使い感想記事の特別編として、今回は岸部四郎さんの落とし穴企画の事について語ろうと思います。

まず岸部四郎さんのガキでの初出は多分「全力疾走する芸能人が見れる店(2001年放送)」じゃないかな?と思います。もし違ってたらすいません。この企画は松ちゃんが「この店はタレントが全力疾走してる姿が見れる店やねん」っていって他メンバーを呼び出して、半信半疑の中お店から外を見てると、本当になぜか芸能人が次から次と全力疾走して通り過ぎていく……という内容の企画でコレも名作企画と言われています。この企画でイジリー岡田さんや、加藤鷹さん、周富徳さん、星セントルイスさんなど絶妙な面々が全力疾走で走り去って行く中の一人で岸部四郎さんも全力疾走していました。

そして、2002年に放送された企画が岸部四郎さんの落とし穴企画。

正式な企画名はわかりません。ちなみに企画名は「男と男の手料理対決」というテイで始まります。ガキでよくあるバトミントン大会の仮企画みたいなもので、ホントの企画内容の為の偽企画的なものですね。なので系統としてはガキらしさ全開のリアル風・ドキュメント風コントという感じの企画ですね。近年でいえば破天荒田中企画とかパンツを見てはいけないゴルフレッスンなどの企画と同様ですね。

ちなみにここで少し話は逸れますが当時岸部さんは元々人気タレントだったのですが、理由は割愛しますが莫大な借金を抱えた為、自己破産…そして番組降板などもあり、お金持ちからの借金をかかえ転落してしまった人…というイメージが付いていました。いわゆる「やらかしてしまった芸能人」って感じですね。そんな中で放送したのが今企画でした。

あらすじは、岸部四郎さんをゲストに迎えて、浜ちゃん以外のガキメンバーチームと岸部四郎さんで手料理を作り、浜ちゃんが出来た料理を試食し、勝者を判定する……というテイで企画が始まります。そして浜ちゃんが今回のゲストの岸部四郎さんですと呼びこんで、岸部四郎さんがガキメンバーに駆け寄ろうとするといきなり落とし穴に落ちる。そこで落とし穴に落ちた岸部さんが第一の名言「俺何してた人か知ってる?…

元金持ちやぞ!

を言い放ちます。

そして落とし穴に落とされた岸部さんはロケ車でプロデューサーを呼び出し、ネチネチ文句を言い出します。「これ(落とし穴に落とされた事)はお金に換算したら大変な事よ?」とお金の事を遠回しにせびるかのような事を言い出します。「ギャラを10倍とは言わない…8倍だせ!」とか、「40万すぐに振り込め」とか、「8倍…8.5倍でもいいわ」とか「クリーニング代込みで」とか色々。

なんとかそれでロケを再開しましょうってロケ車を出て……

秒で穴に落ちる岸部さん

「岸部さ~~ん」と駆け寄るメンバー。そこでも「おいスタッフ手を貸してくれよ……俺実年齢より20上なんだから」とかさらに名言が続きます。しかもキレてた風なのに突如やさしく「ありがとう…ありがとう~」と繰り返す岸部さん。こらえ切れず笑い出すメンバー。なぜか記憶喪失になったかのように「僕ゲスト?」「今から料理するの?」「僕出して頂けるの?」「ありがとう~」「どこでするのそれ?」と繰り返します。

またなんとか仕切り直して手料理対決を再開するんですが、さぁ料理対決スタート!ってなって移動すると…

秒で穴に落ちる岸部さん

「岸部さんすんません~」って謝るメンバーに「すんませんってお前なぁ…もう」

「金しかないなぁっっ!!!」

という名言中の名言が飛び出し、ここでさらっと企画は終わりガキのはがきトークに移ります。

時間にして約10分程の企画。

これは様々な意味で衝撃的な企画で、岸部さんが俳優業もこなす人なので演技も上手で、どこまでが台本でどの辺がアドリブだったのかわかりませんが、全編名言だらけでたった10分のOP企画で後々にも視聴者にも大きな大きな影響と衝撃を与えた企画なのでした。

ちなみにその後近年でも松ちゃんは「金しかないなぁ!!!」ネタを使ったりしてるので、今でも本人たちも思い出深い企画の一つなのだと思います。

30年以上のガキの歴史でもトップクラスの伝説的な企画になっていて、おそらく「板尾が見ている」企画等と並び神企画中の神企画と名高く、最近からのガキファンは見たことないとは思いますが、オールドファンでガキの企画を語る場合100%名前が出てくる企画の1つとなっています。

お金持ちだったのに色々やらかして貧乏になった…その当事者がそれ自体を大きな前フリにしてその自虐ネタ的にコントに昇華した…みたいな感じなんですよね。今でいえば、アンジャッシュ渡部さんが不倫ネタで登場するとか、木下優樹菜さんがタピオカネタで出てくるみたいなイメージでしょうか。それだけでもインパクトありますよね。ガキで笑ってはいけないでは新垣隆さんがゴーストライター問題で話題になったあとそれにちなんだネタで出てきた感じも近いですね。

当たり前ですが、普通こんな内容ならまず本人が出演しないでしょう。それでも出演し、徹頭徹尾やりきった岸部さん。爆笑を届けてくれた岸部さん。私は本当にすごいと思います。本当にそれほど素晴らしい企画と岸部さんの完璧な演技だったのでした。

自分たちガキファンは一生忘れないことだと思います。素晴らしいコントをありがとうございました。

心よりお悔やみ申し上げます。

 

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2 Responses to “<岸部四郎さん追悼>ガキの使い 岸部四郎落とし穴企画について語る。”

  1. 真冬 より:

    私も、岸部四郎さんのニュースを見た瞬間にガキの使いのこの企画を思い出しました。
    落とし穴にはまるだけでこれだけ面白くなるものかと思いながら見た記憶があります。
    松ちゃんがトークで「最近は、金の話をすると本当にウケなくなったでしょ」と言っていたことも覚えているので、世の中がそう変わる以前の企画だったのかなと思います。
    合掌。

    • 高岡 匠 より:

      真冬様

      コメントありがとうございます。

      >落とし穴にはまるだけでこれだけ面白くなるものか~
      ほんとそうですよね。バンバン落とし穴に落ちる絵面だけでも面白い上に、そこにコント要素や岸部さんの状況も関わってきてるので相乗効果もすごいですよね。

      >松ちゃんがトークで~
      ここまで突き抜けてると、笑いの昇華するっていういい例ですよね。中途半端じゃなく、本人も企画内容も突き抜けてやりきってるのが良かったんでしょうね。

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