Archive for the ‘高岡 匠の自己主張的日々の雑記’ Category

キングオブコント2022 感想

月曜日, 10月 10th, 2022

キングオブコント2022の個人的な感想です。

去年の記事はコチラ>キングオブコント2021 感想

今年もやってきましたね。キングオブコント。

一昨年はコロナ禍とかの影響か少しクオリティが低く、そして去年は審査員が一新して、コロナ禍にも慣れた世界になりって感じで、クオリティは上がりました。平均クオリティは確実に上がりました。コロナ禍以前レベルのクオリティ以上になったかなって程に。去年良かったですよね。

で、今年ですよ。ビックリしましたね。さらに凄かったと思います。もうホントみんな面白くてね。M-1もそういう傾向ですけど、近年の平均的なクオリティは確実に上がってると思います。2020はちょっと例外的にクオリティ明らかに低かったですけど、それはコロナ禍初年度でしょうがないかなって思うので。

正直昔なら優勝レベルのネタが目白押しで、平均クオリティだけで言えば過去最高だったかもですね。明らかに下って組が出てくるだろ出てくるだろって見てると出て来ないんですよ。出てくる組出てくる組みんな面白い。私は決勝前は見てませんが、準決の審査も大変だったろうなぁ…。

もういっつも長くなっちゃうのでできるだけ端折って早速ネタの感想を

決勝感想

クロコップ

460点

クロコップはどっかで見た事あるし、名前もギリ知ってるって感じでネタどんなネタやるかとかほぼほぼ知らない状態だったんですけど、めちゃくちゃ面白かったと思います。ただ順番のトップバッターってのが運が悪かったなぁと思いました。他が比較的ドラマ性のある正統派コントが多い中、少しリズムネタ要素もあるトリッキーなネタなので、順番としては中盤か後半に見たいネタだった。でもこればっかりはしょうがないですね。ネタ自体はカードゲームバトル風(特に遊戯王っぽい)のあっちむいてホイを大げさにやるっていうプロットに、やってることは「あっちむいてホイ」というしょぼい事なのにそれに相反する壮大な音楽が凄いマッチしててそのギャップも素晴しいし、しかも展開も最初から最後まで飽きさせないし、しかも最後ヘリのくだりも世界観を広げる舞台コントとは思えない展開で秀逸でした。これも好みもあるかな。正統派のドラマ性とか演技力で魅せるコントが好きな人にとっては、この手のコントは好きになれないかもしれないし。でも私はクロコップのこのネタ凄い好きですけどね。良かったと思います。1番手でこのクオリティか…って「この後大丈夫か?」ってなるぐらい面白かったんですけど、この後もバンバン面白い組が来るから、ほんと今回はハイレベルでした。

ネルソンズ

466点

ネルソンズは個人的に期待してる組でした。そして期待以上の仕上がりだったと思います。ネタの雰囲気はどちらかと言うとジャンポケ系の雰囲気でしたかね。和田まんじゅうさんの今回の喋りや表情とか動きは凄く洗練されてて、面白さ倍増してました。ネタの設定はよくある舞台設定ですね。いわゆる映画「卒業」のシチュです。結婚式場に恋敵が駆け込んでくるシチュ。まぁ実際は二次会でしたが(笑 定番ゆえにストレートなコント感が安定感というか見てて安心というか。老若男女誰が見ても「面白い」と感じるようなネタだったと思います。

かが屋

463点

これまた期待のかが屋です。かが屋さんはもうほぼ売れてるといっても過言ではないんですけど、ずっとコントの評価は高いのでもうそろそろキングオブコント優勝させて、コントの頂点の勲章手に入れて完全売れっ子みたいなコースに上げてあげたい気持ちは、多分自分含め多くのかが屋ファンやかが屋好きにはあると思うんですけど…。結果的にはこのコントも全然クオリティは悪くないものの相手が悪すぎたかなって思います。このネタも過去のイマイチだった年ならファイナル行ってても全然遜色ないレベルのネタだったはずなんですけど…。ネタは男女の二人が料理屋でデート…というシチュ。ある意味でこれもど定番系のシチュ。賀屋さんの女装キャラはなんかじろうさんの女装キャラを彷彿とさせました。「思いなさんなっ!」の言い方とか「ムロ待ち」の黄金原聡子風というか。でもこれもどSを演じる女上司と部下というシチュがいいですよね。漫画とかであるギャップ萌えキャラみたいなキャラ設定が良いですよね。あとトイレのくだりで同じ相手に相談電話かけてるってのもポイント高い。賀屋さんキレッキレでしたし、加賀さんも電話中に素に戻るくだりとか凄い良かったですけど、後半さらに違う展開とか以外な方向に行けばさらに良かったでしょうかね…。

いぬ

459点

私は初見のコンビでした。凄い面白い。面白いけど、ちょっとキスの連打の展開は見てて辛い感じが少しあるし、力技感が否めない。ただ、あの不可思議なシチュの夢からそれが現実になり、さらにそのシチュがヒートアップする展開は見事なんですけど…。コント中は男女設定ですけど、実際はおっさん同士というギャップが面白い。でもやっぱり最終的にやっぱりキスのゴリ押しになっちゃってるって事に尽きるかな…。めっちゃ濃い面白さなんだけど、ちょっと濃すぎるかなという印象。凄い好きな人ハマる人と、そうじゃない人と意見が分かれそうなネタかな…と。でも普通に考えたらインパクトもあるし、ネタ自体も面白いし、演技力も十分だし、悪くないんだけど、やっぱり相手が悪かったとしか…。

ロングコートダディ

461点

M-1でもキングオブコントでもコンスタントに結果を残す超実力派。ネタいいですね。なんかありない設定とか壮大な感じと違う、ありそうなシチュ。あとTV素人の料理人とADというありそうな感じを濃くした感じがリアリティを増してて、良かったです。低い看板でコック帽を毎回落としてしまうパターンで、それの繰り返しなんですけど、最初から最後まで基本そのパターンなんで、それがちょっと起承転結的な観点からいうとのっぺりしてたかな。もっと以外な展開が途中あると締まるんでしょうけど。前のいぬのネタもキスのくだりのパターンって感じですし、このネタもパターンの繰り返しなので、そこが少しメリハリがつかない要因なのかもしれない。

や団

470点

や団ってどっかで見たような…でも初見かな~って思ってて、ネタ始まったら「あれ…?このネタ既視感あるぞ」ってなって、山-1に出てましたね。しかもこのネタで。で、過去の記事を見たら> 2020 1/26「第31回大新年会2020&山−1グランプリ」感想で、「普通に面白さだけでいったらキングオブコント本戦レベルのクオリティ」って書いてて、まさにその通りでした。自分でもちょっと驚き。でも山-1の時も思いましたけど、若干猟奇的な怖さのあるネタなので、そこだけどうかな?って感じですけど、最後のオチ部分をしっかり明るめにまとめる事で、見た後に嫌な残滓のような物も残らないような雰囲気でまとめてるのが凄い所。なんかエミネムの「キル・ユー」の歌詞のようなまとめ方。ほんと一歩間違えると怖い気持ち悪いが勝ってしまいそうなネタを、ちゃんと面白いコントにまとめてるのは秀逸としか言いようがない。やっぱりオチというか最後のまとめ方って重要ねって話ですね。ネタとして妙にリアリティがある点もコントに厚みをもたらしてるし、会話の流れも完璧だし、話の展開も起承転結しっかりしてて、やっぱりそういう観点から評価すればここまでのネタの中では1番秀逸だったなと思います。

コットン

470点

いいですね~。素晴しい。ボケの方のキャラは素晴しいですね。このネタも次のネタも凄かった。実力が凄いなって思いました。たぶんコットンさん初見かな…。どっかで見たこともある気もしないこともない。んーよく覚えてない。で、ネタの話ですけど、ネタのシチュもありそうでない。確かに架空の職業をテーマとしたネタってのはあるにはあるんですけど、浮気証拠を消す仕事ってありそうでなさそうな絶妙なラインですよね。そこが良い。なんか内村さんが好きそうなネタだなぁって思いました。というか内村さんを彷彿とさせるキャラとネタだったかな?と。展開も次どうなるか予測がつかない展開で良かったです。余談ですけど、ネタ後のトークも浜田さんとの絡みも上手かった。普通みんな緊張もあるし、あそこスベる人結構いるんですけど、そこも上手くボケつつ、浜田さんのツッコミを引き出すのが上手い。売れて欲しいというか、実力半端ないっていう片鱗が凄かったです。ネタだけ面白いって事じゃなくて、もうそもそも面白い人なんでしょう。期待です。

ビスケットブラザーズ

481点

松ちゃんがめちゃくちゃハマってましたよね。松ちゃんの顔がインサートされる度にめちゃくちゃ笑ってて、相当好きなネタだったんだろうなぁって思いました。最初セーラー服にパンツ一丁という分かりやすいド変態スタイルで、出オチになるんじゃないかなぁって思ってたんですけど、展開が上手かったです。起・承で場面説明と物語の広がりを見せて、ド変態じゃない彼の方がまさかド変態スタイルで帰ってくるっていう展開は意外性とどんでん返し感があって、ここまでのネタの中で一番上手い「転」を表現出来ていたかなって思いました。ボケツッコミのスタイルが突如ダブルボケに変わるような意外性が素晴しい。「お前が歌うんかい」っていう有名なくだり(ツッコミ?)がありますけど、そういう面白さがあります。誰もが心の中で「お前もなるんかい!」ってツッコミましたもんね。シチュ自体もこれまでに無いシチュですし、たしかにホント秀逸なネタだと思います。ただこの1stラウンドでダントツと言ってい良い点数を出したんですけど、そこまでじゃないかなぁって私は思いました。コットン、や団と比べるとちょっと上を行くぐらいかなという印象でした。それでももちろん1stラウンドで一番おもしろかったんは間違いないとは思いますけどね。

ニッポンの社長

455点

KOC出場は最多の実力派。ただ今回のネタはエヴァのパロネタということでオリジナリティという面で、どうしても劣る。しかも審査員の人たちも言ってましたけど、ちょっと暗転を多用しすぎたかなって印象はたしかにあります。暗転って、場面転換にワンポイントとして使うには良いんですけど、ここまで多用すると、山内さんも言ってましたけどなんかショートコントを見させられている感が否めない感じになってしまったかなと。やっぱ暗転って番組中に小さなCMを見させられているような感覚になって、笑い・面白さのテンショングラフがあるとすると、暗転で少しクイっと下がってしまうんですよね。そこは大きかったかなと。けつさんの顔芸は素晴しいし、ネタ自体めっちゃ悪いかというと全然そんなことなくて、面白いんだけど、やっぱり相手も悪かったかな…。

最高の人間

462点

即席ユニットでここまでのクオリティのネタを作れるってホント凄いと思う。シチュ自体は比較的よくある感じですね。こういうパークのお姉さん的なネタは。他にもヒーローショーの司会のお姉さんとかね。あと通販番組のアシスタントとかね。でもそこにちょっと猟奇的な要素を足してて、そこが普通じゃない所になってて素晴しい。しかも展開も終始「ちょっと頭のおかしいキャストのお姉さん」キャラが続くんじゃなくて、実はそれ自体演技で、「みんな逃げて!みんな騙されてるの」となって実は一番やばいのは園長っていう意外性のある展開も秀逸ですよね。爆弾入りぶどうを食べ始める園長という狂気感もいいですよね。ただちょっと怖すぎたかもしれない。暗転の事云々を言ってましたけど、ニッポンの社長のネタよりかは気にならなかった…でも後半のオチに向けて盛り上がる所で暗転は少し枷になってたかもしれない。でもやっぱり即席ユニットでここまで秀逸なネタを作れるってホント脱帽です。やっぱり今回に限っては相手が悪すぎたかな…。

ファイナル

や団

473点総合943点

最初のネタは山-1で見たことあったわけで、2個目どうかなぁ~?って心配だったんですけど、面白かったですね。個人的にはやっぱり最初のネタの方がほんの少しクオリティが上かなって感じはしましたけど、このネタも全然負けてないレベルで面白かった。設定が斬新ですよね。壮大な設定とかありえないフィクション的な設定じゃなくて、天気予報が外れた気象予報士と、そのマネージャー(?)と、雨に濡れる男の謎の三つ巴っていうね。なかなか思いつかないと思います。ただなんか絶妙な気まずい空気感みたいな感じは03っぽさもある。でもマネージャーが実はソラ太郎の中身ってのも「マネージャー?」って聞かれて「うん…そんな感じ…」と濁してたのが伏線だったっても良い。そのソラ太郎の中身の人がまた濡れてる人に負けないぐらいやばい人ってのもギャップがあって良いし。オチだけちょい弱かったかなって事ぐらいでそれ以外はもうほぼ完璧ってレベルじゃないですかね。面白かった。

コットン

474点総合944点

最初の笑いまでの前フリがちょっと長いかなぁって思ったんですけど、その分の清楚風の女性がいきなりタバコをふかすっていうギャップで掴みが素晴らしかった。演技力がふたりとも凄かったです。表情とかちょっとした細かい所作とかもちゃんと気にしてるなって思いましたし、所謂「転」と「結」が一緒になってるような最後の展開でしたけど、「結婚して下さい!」のくだりは凄く良かった。さっきもそうでしたけど、ネタ後のトークも今回も良かったです。このネタも最初のネタと同等かそれ以上ぐらいの素晴しいクオリティでした。

ビスケットブラザーズ

482点総合963点

斬新な設定ですね。バイト先も同じ友達な女性二人の一人が男性になるっていう…。自分で今書いててもよくわからんシチュ。最初のネタに比べると展開自体はそこまで意外性のある展開ってほどでは無かったな。、終始意味不明な男とそれに戸惑うっていう構図は最初のネタと共通してはいるんですけど、最初のネタはまともな彼までド変態になるっていう意外性のある展開がある分秀逸だったかなと。なので、点数は最初のネタより高くて、総合点もめちゃくちゃ高かったですけど、そこまで私は面白いと思わなかったかな…。もちろんじゃあ優勝は?って言われたらビスケットブラザーズで文句なしではあるんですけど、歴代最高得点程では無いかな…とは個人的には思いました。これは好みもあるかな。

まとめ

という感じでした。優勝云々よりもどの組も面白くて、それがとにかく嬉しい。M-1のクオリティには流石に勝てないって思ってた自分ですけど、今回のこの出場者全組全ネタのハイクオリティを感じるとM-1のレベルに追いついたなって思わざるをえない。まぁもちろんコントと漫才はジャズとロックを比べるような一概の優劣をつけれるものじゃないですけどね。でもそれぐらいクオリティが高かった。正直2020年のKOCで優勝したジャルジャルでさえ、今回なら決勝にさえ残れたか疑問になるレベル。それぐらいハイクオリティでした。去年も凄いレベル上がったなぁと思いましたけど、それを有に超えてきたのは驚きでした。やっぱり1つ2つめちゃ面白いネタがあるより、全体的に面白い方が番組的にもいいですからね。

みなさんはどう感じましたか?私は今回のKOCめちゃくちゃ良かったです。どの組どのネタも自分たちらしさや味を出して、バラエティに富んだネタで満足感が凄かった。むしろ来年が大丈夫か?って心配になるレベル。来年もこんなクオリティを維持出来たらホント凄いですけどね。

はい。KOC終わっちゃいましたね…。ここからM-1に向けて漫才師達はざわざわしてくるんでしょうけど、これはM-1も期待したいところです。

ではまた~

以上。

関連記事:

2021年 M-1グランプリ 感想

月曜日, 12月 20th, 2021

はじめに

M-1グランプリのイチ個人の感想です。

M-1の感想を書くと「クソ野郎が偉そうに評価すんな」的な事言われたりするんで、先に言っときますと、素人の独り言程度の感想ですんで、見当外れだと思っても、日本の田舎に住む一人の素人の戯言だなぐらいに思って流して頂けるとありがたいです。

ちなみに去年の感想

2020年 M-1グランプリ 感想

でした。

まず今年についてですが、去年より1000組程参加が多かったと。それと審査員の面々は変更無し。そして初決勝のコンビが5組と多めで波乱だった。

そういう感じでしたね。

いっつも長々としてしまうんで早速感想に行きましょう。

感想

1、モグライダー
一番手。毎回一番手は鬼門中の鬼門。それにしては頑張った方という感じですかね。さそり座の女ネタ。パターンにハメるタイプのネタ。パターンネタは流れが出来るし、見てる側が次も同じパターンで重ねるのか?ハズシで来るのか?という感じでてんどんからのハズシというのも出来るんですが、このネタに関しては意外性とかメリハリが少し足りなかったと思います。全然悪くないんですけど、途中で爆発するようなくだりがアレばメリハリもついたと思いますが…。

ランジャタイ
今回のオモシロ枠イロモノ枠という感じ。トムブラウンとかすゑひろがりずとか、どちらかというとそういう感じ。正統派と遠い所の奇抜なネタ。多分ホント賛否両論になるというか…好きな人が超ドハマリするけど、全然ハマらない人には全然になるかなっていうネタ。動きがとにかく激しくコミカルで、その動きで笑わせるという意味ではマヂカルラブリーとか霜降り明星的な流れもある。近年漫才なのに動きで笑わせるネタが流行りというか流れが来てたんですよね。それをちょっと行き過ぎた感じにしたネタという感じ。ツッコミとの掛け合いみたいなものがほとんど無くて、ボケが一方的にずっとワチャワチャしてるんで「漫才」をどう捉えるか?という感じで見てる側が革新派か保守派かでも意見が分かれそうなネタです。私はネタの面白さ自体はそこまで悪くなかったと思うんですが、そうじゃなくてメリハリが少し無いのが気になったんです。ボケが一方的過ぎて、少しあの暴走感から全然違う方向に行ってからまた戻る的な意外性の展開とかあればまた違ったのかな?と感じました。ツッコミの人があまりにオマケみたいな感じでちょっとね…。でもインパクトはすごかったんで、ファンは確実に増えたと思うし、仕事も増えそう。

ゆにばーす
昔から個人的に期待しているゆにばーすです。過去2017と2018に決勝残ってて、2017のネタは凄く良かったんですけど、トップバッターだったこともあって、中々点数は伸びず残念だったんですけど、次の2018で凄い期待してたら正直イマイチで残念だったですよ。で、今年は2018のネタよりかは良かったと思うんですけど、でもなんでしょうねぇ…。悪くないけど良くもない…。ちょっと地味めでしたかな。はらちゃんは礼二さんは上手くなったと言ってましたけど、私は寧ろ昔のなんかシュール感の強い話の聞かない変な顔と変な声の変な奴が空気感を変えるような感じが川瀬名人とのギャップがあって好きだったんですけど、少しそういう感じが少なくなった気がして…。うーん…どうでしょうねぇ…。それと余談ですが最後の敗退決まった時のコメント求められた時のコメントのくだりがめちゃくちゃ大スベリしてて、それが地味に気になりましたね。

ハライチ
敗者復活戦からハライチです。もう売れに売れてるお二人ですが、ラストイヤーなので悔いのないようにと出場したんでしょうね。先に言うと審査員の評価は芳しくなかったんですが、私は面白かったですね。なんつーか、初出場の知らないコンビが同じネタしてたらそんな面白いと感じないかもしれないんですけど、ハライチの元々のネタはもちろん、コンビ二人の人となりも全部知ってるので、それ前提の面白さがあったんですよ。特に岩井さんがあんな動き激しくコミカルな駄々こねするくだりが普段の岩井さんを知ってるからこそのギャップ的な面白さがあって凄く好きでした。このネタもパターンネタなんですけど、まずそのパターンが澤部さんから始まって、それが前フリになってるのが良かったですよね。ただ、途中で岩井さんが澤部さんに噛み付くくだりもうちょっとしっかりガブッと噛んでる感出して欲しかった。そこちょいもったいないなって感じました。そこはやはりコントとかしてる技巧派とかのレベルじゃないと難しいかも。ましてやM-1だし生だし。

真空ジェシカ
初見のコンビです。まずこれは完全に個人的な好みの話なんですけど、ツッコミの人の声質がなんかしっくり来なかった。「理系のおばあちゃん初めて見た、おばあちゃんは全員文系だと思ってたのに…」の、くだりは凄い個人的にツボでした。面白かった。あと「ミッキーは一人じゃないすか」のくだりも好き。なんとなく霜降り明星っぽい。動きもありつつ、ボケでも笑い取るしツッコミでもしっかり笑いを取る万能型かつ今の流行の流れをくむ感じ。メリハリもそれなりにありましたし。穴という穴は無いんだけどだけど、少しドッカーンっていう爆発性までは行かなかったかな。でもワードのチョイスというか、そういうのは面白い。今回は駄目でしたけど、未来を感じるというかポテンシャルはいつか優勝もあるんじゃないかと思わせました。

オズワルド
事前予想でも1位予想が多かったオズワルド。私もオズワルドの漫才好きです。でも事前予想が良いと、優勝できないってパターンは往々にしてあるんですよ。なので始まるまで心配だったんですが蓋を開けてみれば杞憂でした。1巡目のすべてのネタの中では白眉でした。オズワルドらしさが凄く出てた。ここで2つ目のネタの事を言うとアレですが、構成的には1つ目も2つ目もオズワルドらしいネタなものの、この1つ目のネタの方がわかりやすい。実は”わかりやすさ”は重要なんで、このネタはわかりやすいのが凄く良かった。メリハリもしっかりとオズワルドらしい”静”と”動”がしっかりしてた。ツッコミの伊藤さんの張り上げる声のツッコミもあるし、静かなツッコミもあるし、ノリツッコミみたいなくだりもチョコチョコあってそれも良かった。去年松ちゃんと巨人師匠の意見が割れた(松ちゃんは前みたいな静かで一歩引いたツッコミが良いと言い、巨人師匠は逆にもっとツッコミは元気よく張り上げた方が言いとアドバイスした)のが話題になったんで、もちろん漫才披露後にそういう話のくだりになったんですけど、巨人師匠のコメントがもう秀逸で、まさにその通りって感じで自分の言いたい事は巨人師匠が言った事そのまんまだなって感じです。静かな部分と激しい部分の対比が出来て、より高度な漫才に昇華してた。うん。面白かったです。くだり単位で言うとやっぱり脈のくだりが一番のパンチラインな気がしました好きでした。あとオードリーのネタのような仲の良さみたいなくだりも良かったし、指のくだりも良かった。

ロングコートダディ
コントも出来るしKOC決勝も出てる…そして漫才でもM-1決勝に残ったロングコートダディ。このネタもコント漫才的な感じでした。設定が斬新ですね。あまり見たこと無い展開で生まれ変わりの振り分け…という新しさがありました。ただボケの人がちょっと表情がちょい笑ってるのが気になった。肉うどんって言われたら、マジでシリアスな表情で驚いてくれないと世界観に入れないというか、あまりショックを受けてない感じ。もっと肉うどんって言われて大声でわぁ~っと驚くところまでは良いですけど、その時含めその後の表情ももっと世界の終わりだってぐらいのショックを受けた顔を作り続けてほしい。お笑いってのはやってる側がヘラヘラしてると、結局「あくまでそういう設定です」前提みたいな感じでリアリティが出ないんです。リアリティこそが笑いを生むんで。別にコント的な漫才は嫌いじゃないけど、ボケの方の演技力がもっと上がったらもっと好きになるかな。あとワゴンRがなぁ…。本人はめちゃくちゃ迷ったと言ってましたが、それが正解だったのか…。もっと面白いワードチョイスがあったんじゃないかなぁ…って。審査員の評価は結構良かったですけど、私的には真空ジェシカ、ハライチとかと同じぐらいか、それ以下ぐらいかなと思いました。

錦鯉
去年のネタは私そこまで好きじゃなかったんですけど、今年は間違い無く前回を大きく越えて来ましたね。余裕で。圧倒的に。まぁ錦鯉はもう2021めちゃくちゃ売れたんで、色んな番組にも出てもうおっさんキャラが定着したので、今回のネタはその「おっさん」を全面に出したのが功を奏した感じですね。ブラマヨとかトレエンとかもハゲとかブツブツとか身体的特徴をネタにギュッと詰め込んで、優勝してますが、長谷川さんのおっさん…というかもうじじい感のあるおっさんという他のコンビじゃ絶対真似出来ない自虐ネタが素晴らしかったです。他に真似出来ない武器ですもんね。見る前去年と同程度のクオリティのネタなら全然駄目だろなって思ってたんですが、全然面白くなってたんでビックリしました。「哀愁」って笑いになるんですけど、まさにおっさんは哀愁があってそこが絶妙な笑いになってました。あとここまで的確なツッコミが出来るツッコミは中々居ないです。どつきツッコミって最近少ないんで、ここまでパンパン頭叩くツッコミは他に中々出来ないんで、それも凄く良かった。王道のどつきツッコミ。私は渡辺さんのツッコミ大好きです。ツッコミはやっぱりなんだかんだ言ってもコレが間違いないよね!って感じ。

インディアンス
もう常連と言ってもいいインディアンス。安定感で言えばもしかしたら1番かもって面白さ。だけど、毎回インディアンスについて書く時にアンタッチャブルと比較してしまうんですよ。凄いスタイルが似てるんで。なのでアンタッチャブルの優勝した時のネタと比べると、たしかに今までよりかはかなり切迫するレベルで面白くはなってるんですけど、周りのレベルも年々上がってるのも事実だし…やっぱり少しだけ見劣りしてしまう。でもこの1つ目のネタは過去の2回のM-1決勝のネタよりも絶対一番面白かった。最初から最後まで同じテンポであのハイテンションなボケとそれに対するツッコミを終始続けられるのは凄い。設定はそこまで斬新では無いんですけど、ワードチョイスも今回は良かった。テンポが良いんですが、あえて凄いテンポを外すっていう意外性みたいな展開まであるとメリハリという意味でももっと良くなったのかなって感じました。

もも
事前にももはかなり面白いって噂をチラチラ見ててハードル上がってたんで、面白かったんですけど、ちょっと物足りなさを感じました。WボケWツッコミでパターンかつそのパターンの役割が順に変わるんで笑い飯とかジャルジャルのようなグルーブというか独特のテンポを感じました。このネタも錦鯉でも話ましたが身体的特徴の自虐を含んだネタで、テンポも良いし、凄く好きでした。最初はゆっくり目で始まって、段々ヒートアップしていく感じも凄く良い。良いんだけど、パターン一辺倒過ぎたかなぁ…。でも審査員の評価少し低いなって感じました。少なくとも私はロングコートダディより面白かったです。未来的に優勝ありそうなコンビですね。他のネタを見てないので、どういう感じか分かりませんけど、こういうグルーブ感は素晴らしいです。ホント次回は分かりませんよ。優勝してるかも。そんなぐらいのポテンシャルを感じました。面白かったです。

そしてファイナルはオズワルド1位、錦鯉2位、インディアンス3位でこの3組。

インディアンス
ホントインディアンスは安定感ある。安定感あるんだけど、やっぱり1つ目のネタよりかは少し劣るかなって感じですかね。ただコレっていう設定とか無くてフワッとした内容ネタでした。なので印象が少し残りづらい感じしました。でもホント王道のしゃべくり漫才でテンポも相変わらず凄く良いし安定感はホント凄い。もう中のくだりとか好きでした。ただワードチョイスみたいな部分で少しイマイチな部分があったかな。でも面白かったですよ。

錦鯉
猿捕獲という結構斬新な設定の漫才。まずスゲェって思ったのは「森の中へ逃げ込んだ!」「・・・・じゃあいいじゃねーかよもう」のくだりが最高なんですよ。あの「・・・・」の絶妙な間。アレは渡辺さんめちゃくちゃ巧い。普通間髪無しにすぐツッコミを入れちゃうと思うんだけど、絶妙に泳がせてからの長すぎず短すぎずの間で「じゃあもういいじゃねーかよ」のツッコミ。これも声のトーンもバッチグーですね。その間も長谷川さんの森に逃げ込んだ猿を探すようなマジの表情と動きとかが素晴らしい。こういうトコなんですよ申し訳ないけどロングコートダディにはこういう所が足りないんだよ。世界観に真剣に入り込まないと。リアリティこそが笑いでありエンターテイメントなんだから。ホント錦鯉のネタで凄く感じるのはメリハリですね。凄いハイテンションな所と一瞬二人とも静かに止まる部分もあってそのギャップとメリハリが緩急になってさらに笑いを生む感じ。オチへの持って行き方も好きでした。素晴らしかった。錦鯉はこんなに面白いのかって思う程でした。元々面白いのは知ってましたが、こんなクオリティが高いネタを2つも持ってるとは……って感じでした。

オズワルド
ん~~~~残念でした。明らかに1つ目のネタと比べてこの2つ目のネタはクオリティが下がっちゃいましたね。初速は良かったんですけど、後半なんか1つ目のネタような整理されたようなスッキリ感が無くて、少しわかりにくさというかバタバタ感というか、「あれ今これどういうくだりだっけ?」みたいな感じの印象が出る所がいくつか出てきた感じしました。あと「言ってないはチンピラだよ~」のくだりなんで伊藤さん笑っちゃったんだろう。あそこは表情笑う所じゃないと思う、もちろん伊藤さん的にはあまりに突拍子もない事いいやがってっていう苦笑い的な表情なのはわかるんですけど、個人的にはもっと真剣な糾弾するようなドン引きするような表情で行って欲しかった。ヘラヘラして欲しくなかった。あと「おじさんは幸せもんだ~~」ももっと高く大きくハイテンションで言った方がモアベターだったかな…と。ちょっと中途半端だった。今回ツッコミワードも全体的に少しイマイチ感あったんですよねぇ…。とにかく1つ目のネタに比べちゃうと大きく下がるのは間違いなかったかな?と。

はい。そして優勝は錦鯉。錦鯉は1つ目2つ目のネタどちらも甲乙つけ難い程良いネタで、僅差ではあるものの優勝は妥当かなと。1つ目のネタだけで言えばオズワルドなんですけどね。2つ目が……2つ目がもっと1つ目かそれに迫るクオリティがあれば…。残念でしたね。それでもファイナルの3組はホント拮抗してたと思います。

でもホント錦鯉面白かった。素晴らしかった。おめでとうございます。

ただほんと大会そのもののクオリティで言うと、そこまで高いと感じなかった。あくまで平均値という部分では。キングオブコントは平均レベルが高かったんで、こっちは参加者も去年より1000組も多いしクオリティは凄いだろって期待してたんですけど、2019、2020のレベルに比べると一歩劣るかなって印象でした。あくまで個人的な印象でしかありませんが。私はそう感じました。

でももちろんM-1はやっぱり面白いですよ、どっかの賞レースよりも100倍面白いです。みなさんも良ければ今年のM-1で感じた事があればコメントして下さいね。

はい。

また来年凄いのが出てきてくれる事を願って…。

ではまた来年~

以上。

関連記事:

キングオブコント2021 感想

日曜日, 10月 3rd, 2021

はい。キングオブコント2021の個人的感想です。

去年の感想は

キングオブコント2020 感想

でした。

はい。

審査員について

で、まず最初に書かなきゃならんのは今年は審査員が松っちゃん以外が全員替わったという事ですよね。

審査員新メンバーはほぼ想像通り。山内さんが若干びっくりしたけど、でも山内さんもかなり事前予想で出てましたし。ただ一番現役(KOCに)に近い枠って感じですかね。数年前はまだ挑戦者だったことを考えれば早いような気もしますけど、去年今年ぐらいのかまいたちの勢いは芸人界イチなのは間違いないでしょう。かつての売れ始めた時の千鳥のような勢いありますもんね。youtubeとかでもキングオブコントの解説件評価みたいのもやってましたし。うん。

それは置いといて、やっぱりウッチャンは無かったですね。これも99%無理って分かってました。けど、心のどこかで0%では無いみたいな期待があったんですけど、まぁ…予想通りですね。ウッチャンはこういう審査員的な事しないタイプだと思ってたんで。

そもそも審査員の変更についてですが、確かに以前から言われてたのはコンビどっちもはどうなんだって話ですよね。さまぁ~ずとバナナマンですのでレベルは経歴知名度影響力などは十分なんですが、やっぱりコンビって当たり前ですけど好みが似てるわけで、好きな傾向も似てるんで審査が偏るんですよね。ですので、正直さまぁ~ずから1人、バナナマンから一人残すのも案として絶対あったとは思うし(もし残すなら大竹さんと設楽さんかな)、それもアリだと思うんですが、それはそれでどうなんだって話で…。で結局全面リニューアルという事になったと思うんですよね。あくまで予想ですが。

でも結果的に松本、飯塚、小峠、秋山、山内という面々だったわけです。結果的に(?)安定感のあるメンバーだと思います。文句を言う人は少ないんじゃないですかね。

審査員に関してはとりあえず以上で感想を。

感想

まず大前提的な話から。

去年のKOCのレベルは正直全体的にちょっと低かったんですよ。コロナ禍という事も影響あって(去年の方がみんなコロナを恐れていたし対応も厳しかった)。

なので今年もまだコロナ禍ではあるんですが、国民全体が「コロナのある生活」に慣れてきたわけで(良い意味でも悪い意味でも)、そういう部分も多少影響ある気がしました。

でも予選の段階でジャンポケさんがコロナ感染でリタイアするという悲しい事もありましたし、影響はもちろんあるんですけど。

で、そんな中での開催だったわけで。どうなるかと思ってたんですが、今年は去年の反動なのかレベル高かったです。全体的に面白くて。

今年から即席コンビもOKとなり(よくわからないですけど、M-1でのおいでやすこがさんとかの活躍の影響も少なからずあるんですかね)、エントリー数も増えました。そりゃ参加数が増えれば、母数が増えれば、それだけ競争が激しくなり、最終的に残れるコントのレベルも上がるのが当然です。それが今年のレベルの高さに繋がったという事ですね。

そして、今年の決勝組は

蛙亭
ジェラードン
男性ブランコ
うるとらブギーズ
ニッポンの社長
そいつどいつ
ニューヨーク
ザ・マミィ
空気階段
マヂカルラブリー

この決勝組の面々が揃った時は実力派が揃ったなって印象でした。ほとんど知ってましたし。

蛙亭

面白かったですね。設定も斬新な感じで、ストーリー性もあって、展開としてはそこまで意外性は無かったですけど、そもそもの舞台設定が斬新なので十分だと思うし。掴みも良かったし、トップバッターは非常に難しい中アレだけ堂々といいネタをかませたのは凄いと思う。強いて言うならやはり少し意外性を生む展開とかあってさらに爆笑ポイントがあったらもっと凄かったかもしれない。あとホムンクルスにもっとギャップあるくせ強いキャラ性を加えてればもっと素晴らしかったかも。だけど正直コレと言って大きな駄目ポイントの無い、安定感ある面白いネタだったと思います。

ジェラードン

面白かったです。青春学園モノみたいな設定は定番で、気持ち悪いやつがキラキラ・ラブコメ風キャラみたいギャップ狙いの面白さってのはそこまで斬新さは無いんですけど、それがあまり余る、キャラの濃さがあって、素晴らしかったですね。 ツッコミは飯塚さんみたいな雰囲気を少し感じたかな。でもすごく上手でした。やっぱりコントはキャラの濃さがあればストーリーとか設定を超えて面白さを出すっていう良い手本となるネタだったと思います。すごく良かったです。

男性ブランコ
初見だったんですけど、ファンになりました。なんか好きでしたね。雰囲気というか。空気感というか。まず清楚そうな女性が来たなと思わせて、酒ヤケした新世界のおっちゃんみたいなゴリゴリの関西人が出てきた掴みはすごく良かった。ある意味ジェラードンも「見た目と中身のギャップ」での面白さの笑いでしたが、男性ブランコもある意味でそういうギャップのあるキャラの面白さ、途中挟むモノローグの転換が良い味出してました。ジェラードンより面白いというか良いなって思ったのは設定があまり無い設定であったり、モノローグシーンが有ることの緩急とか細かい部分で少し上な感じですね。それと男性側のキャラもモノローグで「なんだこいつ!見た目と違って気持ち悪い」みたいなテンプレなツッコミというか展開じゃなくて、なぜか男性側も高感度がMAXな感じが意外性あってよかった。

うるとらブギーズ
初出場からもうファンで頑張ってほしいと思ってたんですが、去年のネタが正直イマイチだったんで、今年は頑張ってほしいと思って、実際見て、すごく面白かったです。モーガン・フリーマンのくだりとかめっちゃ好きでした。設定はそこまで斬新とかではないですけど、全然悪くないし。館内放送も頑張って笑いを堪えてするみたいな声の震えみたいなものもちゃんと表現しててよかったし。でもやはり展開に意外性とかが無かったのが少しのっぺりしてたかな。面白かったけど、最終に残った組に比べれば少し地味で爆発性とか勢いとかは無かったかなと思ってしまいますね。設定上ツッコミとボケとかじゃなくて状況笑いみたいな感じなのも少し地味な事に繋がってたのかも

ニッポンの社長
これまた面白かった。ただやっぱり掴みというか最初のひと笑いまで間が長すぎた。最初どういう部分で笑いとるんだ?って心配になりましたし。もちろんその前フリの長さゆえの最初の笑いのインパクトもあるんですけど。でもそこから「ああなるほどこういうパターンか」って分かってからは面白かった。オチも悪くなかったし。ボールが当たってる部分がボールは見えないのに見えてしまうのも凄いと思いました。パントマイムの領域ですよね。あと隣の打席でもなぜかボールに当たるおっちゃんってのも意外性もあってよかったし。やっぱ最初のひと笑いまでが長いのだけ気になりました。松ちゃんも言ってましたけどテンポが少し緩かったかなと。でも十分面白かった。おっちゃんがボケ役ではあるんですけど、野球部男子の方のツッコミも特徴が薄かったかな。

そいつどいつ
設定とか雰囲気・展開はありがちなんですけど、会話での面白さとかちょっとホラー要素を入れてくる感じが良かったですね。最後の首が浮くような派手な演出も良かったです。あと溢れたワインを拭くあの貞子的なアクションも凄い好きでした。包丁研ぐくだりも好きでした。最後も「ホントにホラーだった」では無くて、いわゆるドッキリでしたってオチも「うわ怖ぁ~」ってゾッとするようなオチじゃなくてよかった。でもやっぱりストーリーの意外性や爆発性は少し弱かったかなと。

ニューヨーク
どうしても去年と比べてしまいますが、うーん…。いかにもニューヨークらしいコントなんですけど、確かに松ちゃんも言ってましたけど、ちょっと漫才寄りだったかもしれない。まぁ別に漫才コントみたいなのはサンドウィッチマンのような前例もあるし、全然いいですけど、展開も設定も地味ですかね。キャラも濃そうで濃くない…みたいな。「おっけいですっ!」の感じとか結構好きではあるんですけど。普通に漫才的な「ボケてツッコミ」「ボケてツッコミ」みたいな感じが少し…気になりました。映像と音楽全然違う!みたいなくだりは好きでした。でもやっぱりなんかこう…普通というか普通に面白いんだけど、普通の枠をはみ出さないというか。もっと意外性や狂気とかキャラの濃さとかそういう部分が足らなかったかな。いや悪くはないんだけど。あと余談ですが、採点後のトークがイマイチ気に入らなかった。半分ボケで言ってるけど、半分マジで言ってる感じがあって…。せめて片方が言って片方が突っ込めはボケとツッコミで成立するけど、コンビ揃って言うのはちょっと…。しょうがないから浜田さんがつっこんでましたけど、本来は相方が突っ込まないと。

ザ・マミィ
良かったですね。設定とかもなかなかありそうで無いし、いかにもボケっぽいキャラの濃いおっちゃんがむしろツッコミ役って感じなのも良い。だけど、でもボケも濃いからそれだけでも、面白さがあるし、ちょっとハートフルな感じもあって良いし。最後いきなりミュージカル風の展開も意外性があって良い。転換があることで起承転結も上手くいってる。ミュージカル自体をネタの主題にする笑いの主軸にするってのは他にもあるけど、あくまでオチへの転換に使うっていうワンポイントで使うってのが丁度いい。余談ですけど、ザ・マミィさんってまだ結成4年って意外でした。今回最年少ってもの。もうアメトークとかゴッドタンとか出てるし、もっとキャリアあるのかと思ってた。

空気階段
元々優勝候補だったと思います。そしてこの1つ目のネタはホント素晴らしかったな。個人的にチョコプラの誘拐ネタ(?)に迫るぐらい好きでした。近年のキングオブコントで一番好きなネタに迫るぐらいの面白さ(あくまで自分の中で)って印象。登場人物二人がボケツッコミとかの形じゃなくて、Wボケみたいな感じなのもなかなか無いし、意外性もたくさんあって、場面転換もあって、ストーリーも壮大。ほんと「まだ続くのか!」みたいなぐらい転換していくのが凄かった。SMクラブに行ってる二人が消防士と警官って設定も良いし、それ故のボケというか本来緊張感ある場面設定なのに、あんな二人というギャップも良い。ある意味でこれも緊張の緩和の一種なのかなぁ。途中のパンスト引っ張るくだりも良いし。空気階段のネタってもぐらさんの濃いキャラと中心にするネタってイメージなので、このネタはそういうわけでもなく、逆に空気階段らしくないのが良かったのかもしれないですね。勢いも意外性もストーリー展開も設定も、オチへの持っていき方もすべてにおいて良くて、言うことなしなネタですね。凄いいいネタばかりの中でさらにミルクボーイが出てきた時みたいな空気感ありましたね。「あ、優勝じゃねコレ?」みたいな。

マヂカルラブリー

ネタとしては絶対面白いんだけど、やっぱりM-1の優勝ネタと被るアクション性があるのもおそらく見てた全員が気になる所だったと思う。どうしても思ってしまうよねアレは。そういうの抜きにすればめちゃくちゃ面白いんだけど…。あとこっくりさんに完全になって、指先だけで演技するのが凄いな面白いなって感じでそこまでは良かったんですけど、そこから最後尻すぼみな感じになる感じでネタが終わるのもちょっと残念。設定とかはそこまで斬新性は無いかな。ストーリー展開も意外性は無かったな。面白かったけど…。M-1の電車ネタが無ければまた全然違う印象だったかもしれない。でもどっちにせよ。最後まで残る程の爆発性は無かったかもしれない。

はい。で決勝1stステージ結果は1位空気階段、2位ザ・マミィ、3位男性ブランコ、以下略。

でファイナルステージですが、どのコンビも1stステージよりもネタは弱かったです。やはり1stの方が強いネタを持ってくるのは定石ですからね。つってもどのコンビも明らかに落ちるネタも無かったですけどね。過去のロッチとかチョコプラみたいな感じは今年は無かったです。

正直蛙亭、ジェラードン、ニッポンの社長辺りは去年なら最終に十分残れるぐらいの面白さあったと思うんですけど、今年はレベルが高かったですからしょうがないですね。

まず男性ブランコ、良かったです。最初のネタのキャラ性と全く違うキャラで、こういう方向も出来るのかって幅の広さに驚きました。途中の「実は昔の友達だった」みたいな意外性も良かったですし、キャラの濃さも良かった。唯一爆発性みたいなものや緩急とかまでは無かった。でも安定感ある良いネタでした。去年だったら1つ目のネタも含めたら優勝レベルだとは思います。

ザ・マミィは1つ目のネタが良すぎてそれに比べちゃうとかなり落ちますね。「なんちゃって~」みたいな空気感がちょっとイマイチ。1stのネタのような意外性のある展開も無かったし。ほぼ全部「ドラマぁ~」に持っていくのがなぁ…。もしこれが1stだったらファイナリストには絶対残れてませんもんね。設定も上司(社長)と部下とかも普通だし。1st素晴らしかっただけに、こっちは明らかに落ちるのでそれが残念でした。

最後は空気階段。ファイナルのネタは空気階段らしいネタですね。如何にも空気階段。もぐらさんの濃いキャラで、ぐいっと持っていく感じ。でもやっぱりめちゃくちゃキャラが濃いんで、面白いんで、十分ですね。設定も斬新というかクセ強いんで印象にも残りやすい。話の展開ももぐらさんがずっとキャラに乗った奇怪なキャラと思わせて、普通の人っぽい素の所が出てくる感じとがコンセプト喫茶の設定と合っててよかったです。ちゃんと王道のボケとツッコミのスタイルってのも空気階段の一番十八番の設定でしょう。多分。流石に1stのような勢いとか爆発性は無いものの、ファイナル3ネタの中でもやはり一番かな。これは優勝は文句なしだったのではないでしょうか。誰もが1stファイナル含め「優勝」と思う…そんな2ネタでした。

はい。そして優勝はもちろん空気階段でした。優勝候補が優勝したって感じですね。でも逆に笑い飯とか和牛みたいな感じよりか(笑い飯は最終的にタイトル取りましたが)、やっぱりここで空気階段は優勝すべきだったとさえ思えます。

審査員もよかったですし、審査自体も良かったと思うし、大会自体のレベルも高くて、どのネタも面白くて言うことなしでした。良かったですよねKOC2021。うん。賞レースは毎年M-1がダントツで面白かったんですが、今回は肉迫するんじゃってぐらい面白かったと思う。全体的なレベルの高さは番組そのものの面白さでもありますからね。来年もこのぐらいのクオリティを期待したいところです。

男性ブランコは初見でしたが、好きになりましたし、いつか優勝してほしい。1stで3位以下だった組も面白かったですからね。来年以降も期待に繋がる…そんな良い大会でした。おそらくTVで見ていたライバル達も、今回のレベルの高いネタを見て「負けてられねぇ」って奮起すると思いますし。

みなさんはどう感じましたかね。コメントもお待ちしております。

はい。

あ、あと年末のM-1も期待ですね。なんせ笑ってはいけない無いからM-1には頑張ってもらわないと。

ではまた。

以上。

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