前置き
当たり前ですけど、KOC2023を見たことを前提に書いてる記事ですので、ネタ自体がどんなネタだったかとかまでは詳しく書いてないので、未見の方は先に動画配信サービス等で見る等してくださいね。まぁ99.9%見た人が記事読んでるとは思いますが。
先に全体的な事から軽く書きますと、まず審査員は変わらずですね。安定のメンバーだと思います。バランスも良いと思いますし。M-1は私は少し不満があったりも無きにしも非ずなんですが、キングオブコントは基本文句無いですね。不可能なのを承知で言えば、前から言ってますけど、内村さんが参加してくれれば最強中の最強なんですけど、それは現実問題として無理だと思うんでね。あと一人足すとすればシソンヌのじろうさんとかかな…。あと劇団ひとりさんもアリな気がしますが…でも一人芝居的なネタのひとりさんは違うか…。まぁ現状ではこのメンバーでほぼ最強でしょう。うん。
で、決勝10組で今年は初顔も多くて、「あれ?あのコンビ(トリオ)残らんかったん?」みたいな意外性もありました。それだけ、新しい人達もガンガンレベル上がってる証拠ですし、M-1もそうですけど1回決勝行くと所謂長年貯めてきた「良いネタ」を使ってしまうわけで、そこからまたゼロのスタートになるっていう問題もあるんで、意外に初登場の方が、数年溜め込んだパワーというか、濃縮された良いネタが多くて、パワーが強かったりします。なので、意外と常連より、新顔とか久しぶりに決勝登場という組の方が結果残したりするんですよね。こればっかりは仕組み上しょうがない。だから実はまぁ逆にニッポンの社長のようにコンスタントに決勝残るってのもある意味でものすごい事なんですよね。それだけネタの引き出しもあるし、新ネタを生み出してる証拠なので。
で、個人的にはM-1の面白さ・クオリティが賞レースの中じゃ1番だったんですよ。長年。1位M-1、少し離れて2位KOCで、それ以下はドーンと離れて以下略って感じで。ですが、近年KOCのレベルが上がったからなのか、M-1の面白さが頭打ちになってるのか、正直KOCの方が面白いと思ってますね。番組としての面白さというか一つ一つのネタの平均的なクオリティとか含めて。もちろん漫才とコントなんで一概にどっちのほうがって言えないあっちにはあっちの、こっちにはこっちのっていう面白さがあるんですけど、やはり見終わった後の面白かったなぁっていう満足感はKOCが上になってると思います。なんつーか近年のコントのレベルの上がり方は凄いと思います。それに対して、漫才はミルクボーイ以降アレを超える程の衝撃には出会えて無い気がしますね。もちろん面白いんですけどね。KOCの伸びしろが凄すぎるんかもしれません。
前置きはこれぐらいにしてそれぞれのネタを掻い摘んで
ネタ感想
カゲヤマ
469点
一発目から凄いシンプルに面白い。インパクトもある。無理やりケチをつけるとしたら下ネタ感というか、裸芸的な要素が少しネタとして下世話な感じというか下品さが少しだけあるかな?という感じ。でもそれもほんの少しですね。別にアキラ100%さんやとにかく明るい安村さんだって、裸芸でアレだけ受け入れらてるし、なんならKOCも大きなイチモツネタが優勝してるから全然問題ないんですけどね。でも本ネタ間の松屋の味噌汁付いてますとかも良いですよね。ああいう小ネタ的な部分のボキャブラリーの面白さも良いですし、過去のトップバッターの中でも1番と言っていいぐらい結果残したんじゃないですかね。凄かった。
ニッポンの社長
468点
面白かった。まぁ流石ですよね。無理くり気になった点をいうならちょっとバイオレンス感がちょい怖い印象が少しあるかな?ってぐらいですかね。それも別に私は全然気にならないですけど、見る人によっては乱暴な感じとかが怖いとか暴力的だとか悪い印象になるかもない。その分シチュとか導入はありがちというか普通なんですけどね。ナイフや銃でもへっちゃらな男と武器ありきでボコりまくる二人とそれ前提で起こる不可思議なというかそれが前フリになる会話がシュールでいいですよね。見てるこっちが突っ込みたくなるネタって素晴らしいネタなんで。まさにこのネタはそういう感じ。ただパターン一辺倒な感じが少しあるっちゃあるかなぁ…。
や団
465点
多分誰もが凄い面白いという印象を持ちつつも、前二組に比べるとどうしてもギリ落ちるかなって印象だったと思うんですよね。めっちゃ面白いし、クオリティも良いんだけど、前2組みが派手でインパクト強めだったので、少し地味目に映ってしまったかなぁ…。昔ならファイナリストになっても全然良いぐらいのネタだと思うんですよね。コントらしいコントって感じですしね。ガラスの灰皿がクルクルのくだりの間とか凄い良かった。ああいう間があることでの緩急みたいな物はいいですよね。オチへの流れも綺麗だし。2つ目のネタ見たかったなぁ…。
蛙亭
463点
これまた面白いのよ。しっかり面白い。設定とかシチュは蛙亭にしてはシンプルというか普通なんですけど、会話劇の面白さとキャラの面白さで持っていくネタである意味正統派。前回のマッドサイエンティスト的な変わったシチュのネタをしてたコンビとは思えないぐらいですね。正直このネタも文句無いレベルのネタなんですよ。だけど、なんだろう…インパクトとか展開とか意外性とか少し足りなかったかもしれない。
ジグザグジギー
464点
7年振りの決勝?そんな出てなかったっけ?そうかぁ…。このネタIPPONグランプリとかあと笑点も見てるか見てないかで印象が大分違うと思う。もちろん私含めお笑い好きな人はみんな1回はIPPONグランプリ見てるとは思うんで、いいんですけど、仮に見たこと無い人が見ると全然印象が違うよね。元ネタを知らないパロディネタとかものまね元を知らないものまね芸をみるかのような…。雰囲気でもちろん面白さは伝わりますけどね。難しい所です。めっちゃおもしろいんだけど、老若男女みんなに伝わるか?と言われると…うーん…って感じ。お笑いって劇場とかだとお笑い好きばかりなので、全然それでOKなんだけど、M-1とかKOCになると、誰でも初見で面白いというのが賞レースにおいての「良いネタ」なんですよね。なので、面白いけど、やはりそういう部分でこのネタは少し落ちてしまうかな?と。面白いんだけどね…。刺さる人にはめっちゃ刺さるネタ…って感じですかね。私はもちろんめっちゃ好きです。
ゼンモンキー
456点
全然悪くないし、面白いんだけどね。小峠さんの批評が分かりやすく、そして私も同意という感じですね。コントらしいコントなんですけど、ある意味優等生というか、意外性とか展開とかが普通の範囲内で収まってる感じ。オチへの展開とかも正直読めてしまいましたし。あの学生服の大ボケの子のキャラ性は他二人と全然違ってていいですけどね。緊張を上手くあの学生服の子が緩和させてくる感じもいいですし。数年前ならファイナリスト残れるぐらいのクオリティあったかもしれませんが、この超ハイレベルのネタの連続の中では少し分が悪かったかもしれない。
隣人
460点
シチュとか設定は確かに斬新ではある。でも最初までの笑いまでが長いパターンなんで、このパターンだと最初の笑いで大ウケしないとなんですけど、確かに最初の笑いはそれなりに面白いんだけど、、そこまでじゃなかったかなぁ…。後半の面白さの伸びってのも無かったですし。斬新過ぎるシチュと設定ゆえに共感しにくいって問題もありますね。知らない世界の話という感じというかね。別にそれがマイナスになる場合もあればプラスになる場合もあるんだけど、今回少しマイナスになったかなぁ…。ワードのセンスも個人的にはあまりグッとこなかったかな。意味不明なシチュとかも…それこそ国崎さんのネタ位ぶっとんでるとそれはそれで良いんですけど、中途半端なシュール感って感じが個人的にあまりグッと来なかったな。
ファイアーサンダー
466点
ちょっとじゅんいちダビッドソンさんがモデルなんか?ってちょっと思ってしまうネタ。まぁ全然関係無いけど。でもリアルにちょっとこういうシチュありそうだな?って思ってしまうね。そういうある意味人間臭さが出てる悪くないネタなんだけど、個人的には少し地味に見えました。審査員の評価は高かったんですけど、私はそこまで好きじゃなかったです。意外性というか「そう来るか?」的な感じとか、あまりないシチュとかは良いんですけどね。点数的にはや団の1点上ですけど、私はや団のネタの方が好きだったかな。でもこのネタ、”芸人ネタ”なので、もしかしたら芸人の人に受けるネタなのかもな?って少し思いました。
サルゴリラ
482点
1stステージ最高点。しかもかなりダントツで。前回のビスブラを思い出すような点。もちろん面白かったんですけど、私はダントツってレベル程じゃないかな?という気がしました。もちろん1位通過で良いネタだと思いますけど、カゲヤマのネタと比べて1~3点上ぐらいの印象です。どっちにしろ1位なんですけど。ネタ自体のパターンとか雰囲気もいいんですけど、ボケの方のキャラとか演技力が凄くいいですね。濃い。ワードセンスも良い。絶対変なもん出すなよすんなよって念押ししておいてからの「靴下にんじん」っていう流れとかもいいですし。そこまで派手なネタじゃないんだけど、しっかりと面白かった。
ラブレターズ
464点
7年ぶり。確かに近年決勝では見てなかったかな…。でも普通にちょこちょこラブレターズ自体を番組で見たりしてるんで、そんな久しぶり感はないんですけど、流石安定の面白さではある。だけど、終始小五月蝿い感じが少し気になったかな…。いやでもあれで正解な気もするし…。どうなんかなぁ…。でもやっぱりもう少し緩急とかがあると良いかな?とも思うし…。結婚報告シチュ自体はありがちなシチュとか導入なんですけど、そこからの展開は全然ありがちとは真逆の凄いシチュと設定ではある。いや面白いネタなんだけど…。やっぱりネタ順最後も辛い部分ではあったかもしれない。面白かった。
で、サルゴリラ、カゲヤマ、ニッポンの社長がファイナリスト。
ファイナルst。
ニッポンの社長
466点 合計934点
一つめのネタはバイオレンスの方向性でしたが、このネタはスプラッタとかグロ系で攻めてきましたね。でもどっちのネタも共通して面白いのは間違いないんですよね。ただやっぱりそういうグロ的な部分が気になる人は気になっちゃうかもしれない。でも1つ目のネタに負けないぐらいのクオリティのネタだったと思います。「あ、カードあった」とかの合間の小ネタ的要素も見事なんですけどねぇ。最後のキモいオチも面白いし。…ただ老若男女に受けるかは微妙なのかもしれない。
カゲヤマ
476点 合計945点
1つ目のネタはどちらかと言うとビジュアル的な面白さが前に出てたネタですけど、こっちのネタはシンプルな会話劇での面白さが出てるネタで、このコンビの懐の大きさみたいなものを感じましたね。ただ共通点で言えばどちらもシモネタ要素がある事かな。ただこっちのネタは会話でう◯こって出てただけでビジュアルとかは普通なんですけどね。でも、意外な犯人という最初の絶妙な間とセリフの掴みからの展開と、途中で部長の娘とお付き合いしてるという意外な展開もいいですね。オチもハイセンスなオチだったと思います。言わないのがいいですね。普通なら完全に優勝のネタなんですけど…。相手が悪すぎたか…。
サルゴリラ
482点 合計964点
いやー素晴らしかった。ボケの人のキャラが1つ目のキャラと全く違うんで、ホント「上手いんだな」って思いました。これぞ憑依芸だなっていう。で、魚という絶妙な例えをゴリ押ししてくるパターンもいいですし、それに対しての強めのツッコミも抜群にマッチしてて良いですね。1つ目のネタもそうですけど、「魚やめろよ!」と念押ししてるのに、それを裏切って「魚」から入るのが、全然シチュも雰囲気も違うネタのはずなのに、1つ目のネタとの共通性を感じました。「逆撫でるな」とかのワードセンスはちょっと気になりましたけどね。というかオチへの持っていき方だけ少しイマイチだったかなとは思いますが、それ意外は完璧ですかね。コントらしいコントですし、わかり易さも申し分ない。良いネタだと思います。面白かった。ただこれも凄い良い点でしたけど、そこまでダントツって感じはしませんでした。1位は間違いないですけど。なんか去年のビスブラの時もそういうの感じたんですけど、そこまでダントツか?っていう。でも審査員一人一人1点高いだけでも5点の差が出るんでしょうがないですけどね。それに1つ目のネタを超えるレベルのネタだったんでそりゃそうかって点ではあるんですけどね。
というわけで優勝はサルゴリラさん。おめでとうございます。面白かったです。魚のように大きな海を渡って行って欲しいですね。
まとめ
面白かったですね。去年のクオリティも凄かったですが、さらに少し超えてきたかなって印象。凄いですね。
もうハイクオリティ過ぎてヤバい。ゼンモンキーも今回1番点数低かったですけど、全然面白かったですし。ほんと昔であれば最低点を出すネタとかは正直イマイチ感が凄かったりするんですけど、全然面白かったですよ。ほんと数年前ならファイナリスト行ってたかもっていう位の面白さ。でもやっぱり周りのネタのクオリティが上がってるからね…、あのレベルの面白さでさえ太刀打ち出来ないというハイレベルな戦いっていう事ですね。
そういう意味でも去年のM-1なんかは最下位とブービーぐらいのネタは明らかにイマイチだったりしたからね…。やはりそういう所でもKOCがM-1を超えてしまったって感じる部分ですね。今年のMー1がどうなるか分かりませんが…。
1つ2つの突出した面白さのネタを見るのもそれはそれで悪くはないんですけど、やはり平均的なクオリティの高さは番組としても見てて飽きないし最初から最後までだれ無いので凄くいいですね。
みなさんは今年のKOCどう感じましたかね。私は大満足でした。もう今から来年が楽しみな位です。つってもその前にM-1を期待したいですけど。
ではまた~
以上。