はじめに
検索サイトで「マシーネンクリーガー 塗装」と検索してくる方が多いので、マシーネンクリーガーに興味があり、「これからマシーネンもやってみたいけど、塗装ってどうするのかなー?」と思ってる方も多いだろうと思ってこの記事を書きます(ですのでマシーネンをもう何個も作ってる方は読む必要の無い記事です)
まず、マシーネンクリーガーの塗装含め、工作等もじっくり知りたい方は「横山宏Ma.K.モデリングブック」を購入するのが一番だと思います。
この本にはいわゆる「ヨ式」と呼ばれる横山先生の塗装工程が書かれており、工作面も含めてマシーネンクリーガーを塗装する上で役に立つ内容盛りだくさん。
……が、「本買う程じゃないんだよー」という方もいるでしょう。
今までガンダムやフィギュア、AFVばっかり作ってて、最近Ma.K.に興味出てきたけど、なんかルールとか塗装のやり方とかあるのー?という方もいるでしょう。
しかし上記の塗りで言えば、AFVの塗りはかなり近いです。つまりスケールモデル系を土台とした塗りなわけです。しかしながら大多数がエアブラシ塗装をしません。筆塗りが大多数なのです。それは生みの親である横山先生自身そうだから。(エアブラシを使ってももちろんOKですけど)。逆に言えば、というか結果から言えば、マシーネンクリーガーはどういう風に塗っても、怒られる事はないです、つまり「かっこいいが正義」という事です。AFVと違ってSFのお話ですしね。
でも前提作り上げる完成予想図にもよりますが、マシーネンクリーガーは戦争(もちろん外)のお話なので、綺麗でピッカピカ!という完成はあまりありません。つまり今のガンダムで主流の塗りみたいな雰囲気の塗装をする方はほとんど居ません。如何に「本当に戦争をして、戦って、いかにも実際にそれがあるかのような」という雰囲気にする塗装が大多数になります。その辺もやっぱり戦車や、戦艦、飛行機等のスケールモデルに近いという事になりますね。
でもたくさんのマシーネラー(マシーネン好き、もしくはマシーネンモデラーの事)はそれぞれ好みや、目指してるもの、考え方がそれぞれ全然違うので、それこそ「正解」が無いのも事実なんです。あるとすれば生みの親である横山先生の塗装ですが、先生自身も「好きなように塗ればええよ!」という方なのです。
例えばマシーネンクリーガーの塗装するテクニックが上手い人で有名な方を挙げれば、
・伊原源蔵さん
・Lincoln Wright( Lin.K)さん
等有名です。(もちろん他にもいっぱーいいますが)
マシーネンクリーガーはガンダムと違い、フィギュア塗装も関わってくるのでかなり高度なテクニックも必要になってくるのも確かです。なので敷居の高さを感じてる人も多いのでは?
……と前置きと能書き多いよー!早くとにかく「どうやって塗るんだこのやろー」という方お待たせしました。
私がおススメする方法…それはまず最初に「平田ガンス」を見る事。
「なんじゃそら?」という方もおりましょう。簡単に言うとプロモデラーの平田英明氏の「陸戦ガンス」の制作工程を克明に追ったドキュメント番組。
その「平田ガンス」にはマシーネン塗装の基本から応用までのテクニックがざっくりですが説明されています。しかも映像なのでわかりやすい。
え?どうやって見ればいいのか?って……「平田ガンス」と検索するとなにか良い事があるかも。
私も最初は「平田ガンス」を何度も繰り返しみて、勉強というか参考にしました。
「平田ガンス」を穴が開くほど見たら、次に参考してほしいのがぽこあぽこさんの次の記事
フィギュア塗装について↓
・失敗上等式 1/20フィギュア塗装法
迷彩塗りについて↓
・筆塗り迷彩のロジック (前)
・筆塗り迷彩のロジック (中)
・筆塗り迷彩のロジック (後)
を読むことをおススメする。どちらも筆塗りで、フィギュアの塗り方と、迷彩の塗り方について初心者向けのわかりやすいテクニック紹介をしてくれています。
「平田ガンス」とぽこあぽこさんの記事でかなり基本はOKだと思います。
筆塗り塗装の大まかな流れ
参考程度に私の個人的な塗装フローを紹介しますね。
先に大まかな流れは
1、塗装の完成予想(構想もしくは妄想)をする。
2、下地を作る、下地色を塗る。
3、基本塗装
4、機関部・その他、デカール
5、汚し(エナメル、アクリル)
ちなみに私の塗りはとてもじゃないが上手いとは言えないので悪しからず。ちなみに私のマシーネンの完成品はこちらに置いてあります>http://model.revolve-gear.com/
しかもあまりくわしく説明せずにさらっと流れの概要を書きますね。
その1、塗装の完成予想(構想もしくは妄想)をする。
陸海空、宇宙、月面等、マシーネンの機体によって、使われる場所の事も頭に入れなければなりません。例えば宇宙で使われる機体は赤錆のようなものは出る事はあまりないでしょうし、逆に宇宙機なら、土汚れは付かないでしょう。
そしてどんな色にするか…どんな雰囲気にするか…想像をするのです。…でも頭の中だけで想像しても、ダメだと思いますので、参考作品を見る。
例えば上記に上げた・伊原源蔵さん・Lincoln Wright( Lin.K)さん・平田英明さん・ぽこあぽこさんのfgのページを見て参考にする、もしくは検索で「Ma.k」と検索して数多上がってるマシーネンクリーガーの作品を拝見する。つまり先人の作品を拝見して参考にする。ということ。
最初はその中でかっこいいと思った塗装を真似するのも一つの手です。
その2、下地を作る、下地色を塗る。
「平田ガンス」でも紹介されていますが、場合によって鋳造表現等のテクスチャを、ラッカーパテ、その他パテ等で付ける。あ、サーフェイサーは塗ってもいいし、塗らなくてもいいです。状況に合わせて塗ってください。
その後、下地色を塗る。「平田ガンス」では筆塗りラッカー塗料(以下ラッカー)でマホガニーをすごく薄めて塗ってましたね。私は時間が無い、もしくはデカイ、奥に筆が入らない等の場合、マホガニーのスプレーをプシューとしてしまいます。それ以外にも黒鉄色や シルバー等を下地色に選ぶ方もいます。とにかく、この下地は塗りましょう。理由?それは塗ってみればわかります。下地塗装をしないと余計に時間と労力がかかります。
その3、基本塗装
単色だろうが、迷彩だろうが、基本の色を塗ります。ここのポイントは「薄く何度も重ねる」事です(と思ってます)。濃いめの塗料で一発で筆塗りで塗るのはかなり無理があります。それをすると筆の目が出て汚くなるのです。いかにも「筆で塗りたくりました」という感じになるのです。プロモデラーのsimさんにツイッターで助言してもらったのは、ドライブラシ(わからない方は検索)気味になんども重ねるといいよ!と言う事でした。それを私も実行しています。
あたりまえですが、この基本塗装はラッカー塗装をおススメします。それと機体が単色だとしても1色のみではなく、色々な色を足したり引いたりして、色の変化を持たせる方が深い色になります。
その4、機関部・その他、デカール
主な機体の色のみではなく、マシーネンにはその他に間接部のいわゆる「シーリング」と呼ばれる蛇腹部分や、エンジンや排気管等の機関部、コード・ケーブル類等々、メインの色とは違う部分がありますのでそこを塗ります。
機関部等は私は艶黒を下地に大体シルバー系で塗って、つや消しの黒、銀色のドライブラシをほんの少々、あと汚しの段階でサビ色をアクリルで足す感じ。
そしてデカールを貼る。その後時により、 クリアー系のスプレーもしくは筆塗りでツヤの調整(ツヤ消しが多いです)
その5、汚し(エナメル、アクリル)
なぜ汚しをエナメル塗料やアクリルでするかというと、下地をラッカーで塗っておけば、 エナメルやアクリルではやり直しが出来るというのが大きい。つまり「その4」の所にセーブポイントを置ける感じです。
私は大体エナメルでウォッシング(溶剤でかなり薄くしたエナメル塗料を全体に塗って拭き取る技法)し、最後に足下、汚れの溜りやすそうな所にさらに水性アクリルやパステルで汚しを加えます。
超ざっくりですが、これが私の大まかな塗装工程です。
フィギュア塗装について
マシーネンにはフィギュアが不可欠です。もちろんクレーテやグローサーフントなどの無人機ならばフィギュアは無い場合もありますけど、PKAや、AFSなどを初めとするスーツ系、それにグラジエーターやキャメルを初めとするの有人機などはフィギュア塗装は必須です。
しかしながら、マシーネンの基本のスケールは「1/20」です。AFVに多い「1/35」よりは大きくなり、瞳の塗装などもしなくてはならず、フィギュアの塗装は個人的な経験上難易度は機体より上がります。私も大の苦手です。
人の肌の色はものすごく繊細で、イメージ色と実際の色とは違っていたり、現実では無い色のほうが、本物っぽく見えたりもするのです。はっきりいってマシーネンのフィギュア塗装は突き詰めればものすごく奥が深いです。
なのでテクニックなどはここには書きませんし(というか私は下手なので書けない)、上記に記したポコアポコさんのフィギュア塗装の記事などを見て、あとはとにかく実践しかないと思います。とにかく色々試してみる。
絶対に失敗します。でも諦めないでください。みんな最初は誰でも失敗するのです。
フィギュア塗装はトライ・アンド・エラーの繰り返しで巧くなれ!という事です。
筆塗りの重要基本テクニック
それと筆塗りに関して注意というかぜひ覚えて欲しいことがあります。とくに経験の浅い人が起こしやすい罠…筆塗りを初めてし始めた時に必ず起こるミス…それは返し筆。
返し筆とはなんぞや?と思った方いると思います。説明します。ラッカー塗装はシンナーを溶剤とします。塗料はシンナー入りと言う事。確かに一旦乾けばもちろん耐水性です…がシンナー入りのラッカーを上に塗ればもちろん一旦乾いてもまた溶けます。
つまり、塗料が乾いてもその上に塗料を重ね塗りする場合…下に塗った一旦乾いた塗装面も溶けます。下地のマホガニーがこんにちわしたりします。すると、上塗りしてたのに、リカバリーするためにわざわざまたマホガニーを塗り直し、そこにまた上塗り…というめんどくさいことが起きます。
それを一番起こしやすいのが返し筆!返し筆とは塗料の付いた筆で同じ箇所を連続して乾かない内に2回以上塗ってしまう行為の事です。
人間は心理的に例えば「白に塗りたい」と思うと、一気に塗料のついた筆で何度も何度も同じ箇所を塗って真っ白にしたくなります。特に筆塗りはエアブラシやスプレーと違い、自分が思ったように一発で上手く均一には塗るのは絶対に出来ません。かならず、塗料の薄いところ、濃いところと、ムラが生まれます。私もそうだったのですが、そういう時に心理的に上手く塗れなかった箇所を急いでリカバリーしたくなりますので返し筆をして、溶けた塗装面をさらに溶剤のついた筆で撫でるわけです。そうすると乾いた塗装面が溶け、下地が出てきてしまうわけです。
なので筆塗りをする時は上手く塗れなくても乾いてない同じ箇所をもう一度筆塗りすることは我慢し、完全に乾いた後もういちど1回塗るのです。それを何度も根気強く続けることによって厚く均一なきれいな塗装面になるのです。
わかりましたでしょうか?返し筆は絶対にしない!一度で上手く塗れなくても我慢!乾いてからもう一度塗る。それを繰り返す。
これを回避するには例えば右腕を塗ったら、左腕、右足、左足…と塗ってると、その内に最初に塗った右腕は乾いていますのでまた1回上塗りして、また放置…を繰り返して、効率良く塗れば大丈夫。
返し筆をしない場合でも溶剤や塗料がパシャパシャの状態(液体が多い)の筆で塗ると1回でも塗装面を侵す場合がありますのでそれもお気をつけください。
最後に
さらに詳しく知りたい方はググるともっと超絶な塗装方法の紹介がゴロゴロしていますので探してみてください。
では怖がらずに気軽にマシーネンの塗装にレッツトライ!
完成したらツイッターや模型SNSで発表してみんなに自慢したり評価してもらおう!マシーネラーはみんな優しいから大丈夫!次回作へのモチベーションにも繋がります!
マシーネンクリーガーや造形物の記事一覧はコチラ>http://www.revolve-gear.com/blog/archives/198
模型完成ギャラリーはこちら>http://model.revolve-gear.com/
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